香撰堂本舗 / ワンランク上の味わいを食卓に、静岡産100%深蒸茶匠、特許取得の備長炭入り炭火焙煎茶

改・でしゃばり雑学

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茶に関する(効果効能や生活に役立つ)様ざまな雑学情報を発信しています

No.151  「和敬清寂」の意味・解釈

第一の茶道具と言われている掛物、茶会でよく目にする言葉を紹介します。
千利休が茶道の精神を四語で表した言葉とされます。だた、実際は千利休が作った言葉ではなくて、利休の没後100年以上が経ってから、利休茶の湯の精神を表す言葉として作られたものです。「和」「敬」「清」「寂」のそれぞれ一字ずつに意味があり、それらを合わせて作られた言葉です。

「和」:心を合わせること。ーー茶道というものは、亭主側と客側とがあるわけですが、例えば何かののアトラクションを体験するとき、スタッフ側がそのアトラクションを作って、客側の私たちはそれを見ているだけで楽しめ成立します。しかし、茶道の亭主側と客側はそういうものではありません。茶道においては、客側にも作法があってやるべきことがあります、その客側の作法がスムーズにできると、お茶会もスムーズに流れていきますし、その客側の振る舞いはお茶会の雰囲気を作ります。このように、主客に関わらず、茶道においては、そのメンバ一人一人が心を合わせて「お茶会を良いものにしよう」と心がけることが大切です。
「敬」:お互いを敬いあうこと。ーー「和」のところでお話したように、茶道は主客が一緒になって作るものです。そうなると、その中でお互いに敬いあうことが大切です。例えば、利休の高弟が書いた『山上宗二記』には、茶道の空間で避けた方が良い雑談の内容についてまで、下のように挙げられています。「我が仏隣の宝婿舅 天下のいくさ人の善し悪し」=宗教、財産、婿・舅のこと、人の良い悪い。
一同で心を合わせて一つのお茶会を作るために、お互いに敬意を持つ、適度な距離感を保つことが大切にされてきました。
「清」:清らかであること。ーー清らかであることについては、物だけでなく、精神・所作についてまで言っています。まず物を清らかにするということは、昔は今よりずっと大変なことでした。例えば水に関しては、今は蛇口をひねればキレイな水が出てきますが、昔は井戸水ですから、汲んだままではゴミなんかが浮いているので、それを漉して使っていました。そしてやはり心の清らかさも表しています。
表千家ではよく、精神や所作に関しても理想的な姿として、「水が流れるように」と言い表されて、そうした一人一人が心がけるべき精神や所作を表すとも言えます。
「寂」:寂びた美であること。ーー「寂」についても物だけでなく、精神・所作についてまで言っています。茶道の美意識はよく「侘び寂び」と表現されますが、その「寂」です。「寂」とは、侘びた枯れたような美や、何もないようで満たされているような心の状態を表しています。まず「物」については、茶道具の美意識に関することと言えます。飾り立てた美しいものより、侘び枯れた道具こそが茶道にはふさわしいです。茶人の精神についてもそうした「寂」に心を寄せるものであるべきで、また、所作についても、目に立つことのない「寂」が理想とされます。

お点前の作法を覚えて、お茶をいただくだけが茶道ではなく、そのおもてなしの心や精神文化にも目を向けてお稽古に励みたいと思います。茶道を通して学ぶことは、まだまだたくさんありそうですね。

No.152  緑茶4杯で鬱病リスク半減! *

最近、鬱と食事栄養素の関係をみる研究が飛躍的に進んでいます。国立精神・神経医療研究センター病院の功刀浩医氏が、鬱病リスクを下げる食品として第一に挙げるのが緑茶です。
東北地方の70歳以上を対象にした調査では、緑茶を1日4杯以上飲む群は、1杯以下の群に比べて、鬱リスクが半分程度でした。またアンケート調査でも、健康な人に比べて鬱病患者は緑茶摂取量が少ないという結果がでまています。
理由は「うまみ成分テアニンや、渋み成分のカテキンの薬効によるものではないか」と推測されます。“テアニン”はグルタミン酸からできるアミノ酸で、リラックス効果のある成分です。大脳皮質にある神経細胞の約7割が、グルタミン酸を神経伝達物質の材料にしているので、テアニンをとることで神経細胞の伝達が調整されると考えられています。“カテキン”には、抗酸化作用で脳の神経細胞を守るほか、鬱病との関連が示唆されている脂質異常や血糖値の上昇を防ぐ作用もあるため、直接的、間接的に抗鬱作用があります。なお、テアニンは玉露や抹茶など高級品に多く、低温で抽出すると良く。カテキンは安価な緑茶に多く含まれていて、高温で入れるのが抽出のポイントです。

No.153  お茶の成分を引き出すための入れ方

最近はテレビ等でお茶の入れ方など放送していますが、お茶は美味しく飲むための入れ方と、成分を引き出すための入れ方があります。よく放送しているのは前者のみですが、後者の成分を引き出す入れ方は余り知られてはいません。ここではお茶の特性を元に入れ方を説明します。
まずお茶の成分の特性を注視しましょう。お茶の成分と言えば「カテキン」と「カフェイン」ですが、この2成分は80℃以上の湯温でよく出ます。また時間を置けばもっと出てきます。しかし含有量に限りはありますから10分位が限界です。逆に80℃以下ですと、時間を置いてもあまり出てきません。そして旨み成分である「テアニン」は常温水でも時間を置けばどんどん出てきます。こういった理由から同じ茶葉を使っても渋みの差が生まれます、これは煎出する成分の量によって味が変わっていたのです。よくおいしい煎茶とは程よい渋みと旨みのバランスで成り立っていると耳にしますが、美味しい入れ方とはこの温度・時間を利用した成分の出し方の調節にポイントがあったのです。たしかにカテキンやカフェインは苦渋味成分ですからあまり沢山出ると美味しくありません。でも代表的な成分です、このためには熱湯で入れるのがコツです。

No.154  緑茶を飲み過ぎるとどうなる?

体に良いからと緑茶をたくさん飲むことは推奨されていません。体質によっては良くない影響を及ぼす可能性があるからです。特に貧血の人や妊娠中の女性には注意が必要です。具体的な症状と対処法について紹介します。

貧血などの症状がある場合ーー貧血は、血液中のヘモグロビンが減少することによって起こり、めまいや立ちくらみ、倦怠感、動悸・息切れなどの症状を引き起こすといわれます。この貧血を巡っては、緑茶に含まれるカテキン(タンニン)が、鉄分と結合しやすいため、鉄分の吸収を阻害すると従来の研究では指摘されてきました。常識的な量の緑茶を飲む分にはさほど問題は少ないといえます。また、最近の研究ではカテキンが貧血に与える影響はわずかであるとの報告もあり、詳細な因果関係については、今後の研究調査が待たれる状況となっています。
貧血が気になりつつも、どうしても緑茶を飲みたいときは、食後30分~1時間程度経ってから飲むことで、食事で摂った鉄分とタンニンが結合することを防ぐことができます。また、鉄瓶で沸かしたお湯を使うなどの工夫も有効でしょう。
妊娠中は特に注意が必要ーー妊娠中の女性はお茶に含まれるカフェインに気をつけたいところです。カフェインの過剰摂取は胎盤の材料となる血液を減少させる可能性があるとされます。カフェインは他の栄養素と一緒に胎盤を経由して胎児に届くことにも注意が必要です。また、緑茶に含まれるタンニンが胎児の成長に影響する可能性もあるため、妊娠中は緑茶を飲む量を減らしたほうが良いかもしれません。お茶が飲みたいと感じたときは、ノンカフェインのお茶やハーブティーなどをうまく活用すると良いでしょう。ただしハーブティーにはさまざまな効果があるので、飲む前に医師に相談した方が安心です。

No.155  抹茶の美味しい入れ方

ほろにがくて、香りがよくて、目にも美しい抹茶は、日本らしさも感じることができ、ほっと安心させてくれます。お茶の葉をまるごと粉にしているから、栄養価も高く、食物繊維も豊富。そんなお抹茶を、毎日のティータイムにとりいれてみませんか。
用意するものは、抹茶茶碗、沸騰した熱いお湯、たらいや洗面器(建水の代用品)、抹茶、茶杓、茶巾、茶筅です。手順は以下の通りです。
1.茶碗にお湯を入れて、茶碗を温めます。
2.温めたら茶碗の中のお湯を捨てます。
3.茶巾で茶碗をしっかりと拭きます。この時、縁も忘れに拭きましょう。
4.抹茶を茶杓ですくい、➂の中に入れます。入れる量は大体茶杓山盛り1杯半~2杯分ほどです。
5.80℃くらいにしたお湯を、静かにそそぎます。
6.片手で茶碗を抑えて、茶筅で手首のみを動かしながら、シャカシャカと点ていきます、コツは茶筅で手早く、まんべんなくかき混ぜます。手首をやわらかく動かし、「m」の字を書くように泡立てましょう。最後に、表面にそっと「の」の字を書くようにして茶筅を引き上げます。
7.よく混ざって、ふんわり泡立ったらできあがり。あたたかいうちにいただきます。

No.156  お茶を科学する

お茶にはアミノ酸の一種のテアニンという物質が含まれています、カフェインと一緒に摂取することによって、集中力が増すされています。テアニンは、日本やイギリスでの研究から、50mgのテアニンを摂取すると、脳のアルファ波の活動が活発になり、その後80分間はその状態が続くことが明らかになっています。この50mgのテアニンは、およそ3杯のお茶に相当します。アルファ波が出ているということは、リラックスしつつも何かあったときにはすぐ対応できる状態、言い換えれば、反応すべき刺激にだけ反応し、余計なことに気を取られないで作業に集中できる状態です。
またお茶に含まれるテアニンの効果は、コーヒーでは見られません。

No.157  お茶、ワイン、柿の共通点とは?

答えは渋みでも正解なのですが、「タンニンを含有する食品」です。タンニンはカテキンとも云いポリフェノールの一種です。
胆汁酸の排泄を高めて血液中のコレステロール増加を防ぐことから、血中脂質を正常にする働きがあります。その結果、脂肪肝を予防したり、血液ドロドロ現象からくる動脈硬化や血栓などを抑制すると考えられている機能性栄養成分です。このほかにも緑茶カテキンは、抗酸化作用が強いので、抗アレルギー、虫歯予防、口臭予防、腸内環境の正常化など多岐にわたり期待されています。

No.158 蓋つきの湯呑みで出てくるときと、そうでないときの違いはあるのでしょうか?

冠婚葬祭での会食や旅館、日本食料理店などで蓋つきでお茶が出てきますが、あらたまった席でのおもてなし用という意味でとらえればいいと思います。当然のことながら茶が冷めたり、ほこりが入るのを防ぐ意味もあります。
またいくらあらたまった席でも玉露は蓋つきの茶器では出てきませんし、反対に番茶用には蓋つきの茶器があります。さて、蓋つきのお茶が出てきましたら、茶托の右側に仰向けにして置いておきましょう。

 

No.159 「すすり茶」どのようなもの

すずく茶ともいいます。蓋付の茶碗の隙間から、すするようにして飲むことからその名が付きました。元々は中国では、清代(1636~1912年)に、皇帝や貴族の間でこの飲み方が流行ったという。台湾の故宮博物院には、清代の玉で作られた贅沢な蓋碗が収蔵されている。その後、中国ですすり茶の飲み方が一般に広まったのは清代以降、江戸~明治時代くらいに日本に伝わったとされています。
煎茶道の流派によっては、煎茶のみだったり、産地の違う茶をブレンドしたりするようです。お茶屋さんなどでは一般的には玉露を使うことが多い。茶碗に茶葉をいれ、湯を注ぐ。湯を注いだばかりの茶葉。鮮やかな緑色に変化している。茶葉の変化を見るのも楽しい。蓋をして蒸らして、待つことしばし。蓋を開けて中をのぞいてみると、だいぶ茶葉が水を吸ってふくらんでいる。よい香りが立ち昇る。飲むときは、蓋で少しずらし茶葉を押さえながら、茶碗を傾けて茶を頂く。温度変化と共に味が変わっていき、最後は濃厚な茶のしずくが。最後は、蓋を盃にして茶を絞りきる。水分をたっぷり吸っているので、茶葉は落ちてこない。この茶碗はフタのつまみがちょうど高台のようで、綺麗なさかずきの形だ。
湯を足して二煎、三煎と美味しく頂く。お茶会や稽古ではできないが、茶ガラはポン酢をかけて食す。カツオブシと醤油でも美味しい。茶を余すことなく頂けるのも、すすり茶のよい所です。

No.160 地牧ノ原茶物語

牧之原市は日本を代表する緑茶の産地ですが、その歴史をさかのぼってみると明治初期からと意外にも新しいのです。しかもその歴史を「開拓者」として切り拓いたのが、江戸で活躍していた武士たちであったということはあまり知られていません。
不毛の土地を開墾したのは「徳川慶喜の家臣」たち
慶応3年(1867)、15代将軍・徳川慶喜は大政奉還により駿府(今の静岡市)に隠居します。その際、慶喜の身辺警護を勤める「精鋭隊」(のちの「新番組」)に属する武士たちも同行し、ともに駿府に移り住みました。ところが、明治2年(1869)の版籍奉還により、「新番組」は突如その任務を解かれ職を失ってしまうのです。そこで、明治2年(1869)中條景昭(ちゅうじょうかげあき)を隊長とした「新番組」の面々は剣を捨て、牧之原台地における茶畑の開墾を決断します。それは「武士から農民になる」という一大決心でした。
度重なる苦労と失敗
しかしながら、当時の牧之原台地は地元の農民さえ見向きもしない荒廃地でした。何よりも台地における水不足は深刻で、育苗・改植用の水はもとより生活に必要な水にも事欠く状態でした。しかも、その開墾をおこなうのが農業の素人集団であったため、当初は苦労と失敗の連続であったといいます。このような厳しい状況の中で、中條たちは粘り強く着々と開拓を進めます。とりわけ、身分の高い武士から能楽師まで、多種多様な人々を、昨日までの地位身分に関係なく、農耕開拓団として統率していった中條の指導力は特筆すべきものでした。
そして、開墾開始から4年後の明治6年(1873)、ようやく牧之原で初めての茶摘みが行われます。その後も中條は茶畑の開墾に全精力を注ぎ込みます。途中神奈川県令(知事)にとの誘いがあったものの、「いったん山へ上ったからは、どんなことがあっても山は下りぬ。お茶の木のこやしになるのだ」とまったくとりあわなかったといいます。そして明治29年(1896)、後進に後を託し、中條は70歳にしてこの世を去りました。
日本一の茶産地静岡県地牧ノ原
後年、茶葉の品質向上が図られるとともに、戸塚豊蔵や今村茂兵衛らによって「深蒸し茶」製法の原型が考案されたことなどにより、この芳醇な香りを持つお茶の評判は日本全国に知れ渡り、今日の「静岡牧之原茶」ブランドの発展につながっていきます。今や日本を代表するお茶処となった牧之原ですが、その歴史がこのような中條たちの意志と情熱によって拓かれたということを決して忘れることはできません。
温暖な気候なため、静岡県内でも早場所地帯で4月中旬には新茶が味わえ、八十八夜にはコクのあるお茶が十分に楽しめます。
やわらかい芽でありながら、肉厚に栽培された茶葉を丹念に収穫し、「普通煎茶」の蒸し時間に比べて長く蒸した「深蒸し茶」が主流で、淹(い)れたお茶は、鮮やかな濃い緑色、芳醇な香り、苦み・渋味の少ないまろやかな味わいが特徴です。近年は、消費者から強く求められている「安全・安心」なお茶づくりに積極的に取り組んでいます。

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